一級建築士事務所 中原建築研究所

道路側よりポーチを見る。ポーチの奥には中庭に出るくぐり戸が設けられている。(能舞台の切戸口よりヒント)
建て主さんがお医者さんであり「医療の合間に音楽鑑賞したい」との希望から既存居間に「大きなアメリカ製のスピーカーを設置したい」との事でした。しかしながら打合せ途中より建て替えに代わりリスニングルームとしてスピーカーとグランドピアノを同一空間に新規計画。
この物件は講師仲間よりの紹介でその方の友人でした。こちらが日本建築中心でやっていることは
建て主さんにもお話してあったようです。建て主さんからそれらを承知の上で「全てお任せします。」と言っていただきました。
建て替えの中心となったリス二ングルームの一部スピーカー設置場所天井は桧のフローリングで波状に広がり、ピアノ置場は床、壁、、天井共に二重構造としそれぞれ音がブレないように工夫されている。又防音も配慮され全体は庭を中心とし東側にある坪庭からは朝日が差し込み明るい機能的な和風住宅となっている。
「リスニングルームは成功した。非常に心地良い心境になる。空いた時間はいつもここにいる。」
「ピアノの音も柔らかく、音漏れもないようだ。」
「全体に使いやすい」

玄関上がりより玄関戸(格子戸)を見る。壁はすべて本聚楽塗。

玄関内部、ポーチより玄関戸をあけると正面に書院風のしつらえがあり空間を明るくしている。
障子を開ければ庭が配置されていて樹木の緑が目に飛び込んでくる。
廊下は有効巾を少し広げてギャラリーとして楽しむこともできるようになっている。
そのために外部からの光は足元から入るよう考慮している。
居間、左側に目的のスピーカーが2台、その天井は檜製フローリングを無垢材で曲線上に波打って
発生する音の質量をコントロールしている。正面の障子は2枚共壁の中に納まり南側の庭にある池や
植え込みが楽しめる。右側はピアノコーナーとして使用。
ピアノコーナー、床壁は防振ゴムで隔離され浮き構造となっている。本格的な声楽や演奏が可能であり壁内の建具で直角にピアノを隠すことができ違った雰囲気も味わえる。
和室より庭を見る。障子は全て雪見障子。二方向より自然光が入り庭を借景とし、春は花、秋は紅葉を広角に楽しむことができる、日本建築の神髄。
2階寝室より和室棟を見下ろす。
瓦は三州一文字仕様、下屋は銅板一文字葺き。縁の板は松材、角は扇縁甲配置。
庭から見た和室棟の一部
庭より和室棟南面を見る。外壁はリシン搔き落とし仕上げ。
下屋根をつくることにより立体的な深みができその視線は内外の一体感を作り出している。
ポーチの瓦屋根が本体の瓦屋根と一体となり、奥行きを感じさせ瓦の美しさが強調されている。